「最近、膝裏のしこりが気になる」
「膝の裏が腫れていて違和感や痛みを感じる」
膝関節の痛みはよくある症状ですが、膝の裏に膨らみがあるとなるとなんだか心配になりますよね。
実はその膝裏の腫れ、“ベーカー嚢腫(のうしゅ)”という疾患かもしれないんです。
目次
ベーカー嚢腫(のうしゅ)とは?
あまり聞きなれないベーカー嚢腫(のうしゅ)という言葉。腫という字があるので、「腫瘍…!?」と思われるかもしれませんが、腫瘍ではないので安心してくださいね。
ベーカー嚢腫は、膝の裏の“滑液包(かつえきほう)”といわれる袋で炎症が起こり、滑液がたまる症状です。
50歳代、60歳代の女性によく起こる疾患です。
※滑液…骨の摩擦を減らしたり関節の動きをスムーズに行われるための潤滑剤としての役目や、血液供給がない血管のない関節軟骨に変わりに栄養を運ぶ役目をしている。
ベーカー嚢腫(のうしゅ)の原因
このベーカー嚢腫は、成人に起こるほとんどの場合は膝関節のどこかに障害があることが多いと言われています。その障害による炎症でつくられた過剰な滑液が、膝の裏まで回ってしまい滑液包が腫れてしまうのです。
ベーカー嚢腫を引き起こす膝関節のトラブル:
など。
結局、膝への繰り返しの負担がベーカー嚢腫の原因となります。日頃の姿勢や歩き方なども大いに関係しているんですよ!
ベーカー嚢腫(のうしゅ)の症状
- 膝の裏の痛みはあまりない
- 膝の裏に違和感を感じる
- 膝の裏に卵、またはゴルフボールくらいの膨らみ
- 膝を十分に曲げることが出来ない
- 膝を伸ばすと張っている、ツッパリ感がある
- しゃがんだり、正座をすると違和感を感じる
- 圧迫されているような感じ
ベーカー嚢腫はほとんどの人が膝の痛みがないのですが、人によってはひどい痛みを感じる人もいて様々です。
膝の裏が腫れて太く見えてしまうので、女性で見た目が気になる人は多いと思います。
ベーカー嚢腫(のうしゅ)の治療法
根本的な原因を取り除く
ベーカー嚢腫の原因でもお話ししたように、膝の関節炎が原因となって滑液包の腫れに繋がるので、その根本原因を治療することで、治ることもあります。
まずは病院を受診して何が原因となって起こっているのかを知るのが大切です。
膝の負担を軽減するならサポーターもおすすめです。
滑液を抜く
痛みや可動域が制限されてしまう場合、注射器で滑液を抜きます。
しかし、膝への無理な負荷などが改善されない場合は、人によっては穿刺の翌日にまたすぐに腫れがみられたりする場合もあります。
薬物療法
何度も再発してしまう場合や症状が重度の場合、注射や飲み薬などで炎症や痛みを抑えます。
手術をする
基本的に、ベーカー嚢腫では手術はあまり行われません。
しかし、穿刺や薬物療法などで効果が見られない場合は、滑液包を摘出することもあります。
まとめ
ベーカー嚢腫は悪性のものではないのですが、膝裏にコブがあるとどうしても気になるし不快感がありますよね…。
ベーカー嚢腫の原因にもなるので、膝に負荷がかからないような正しい姿勢や歩き方を意識してみて下さいね。
しっかり根本原因を理解したうえで治療を行っていくと、再発もしなくなるでしょう。